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近代日本語においては、多くの新しい漢語が生まれたり輸入されたりしたが、やがてその一部は定着し、一部は淘汰された。定着する漢語と淘汰される漢語にはどのような違いがあるのだろうか。1895年~1925年を対象とする『太陽コーパス』において、定着過程が確かめられる「実現」「表現」「出現」と、衰退過程が認められる「現出」「発現」「顕現」「現ずる」の意味を分析し、この類義語群の基盤にある和語「あらわす」「あらわれる」の意味と比較した。その結果、和語との間に意味関係を形成した漢語は定着し、それを形成しなかった漢語は淘汰されることが明らかになった。